30代で転職をしたとき、このように悩んだ経験はありませんか?
「転職したけど、新しい職場に馴染めなくて肩身が狭い…」
「年下社員のこなしてる仕事ができない。俺の能力不足なのか?」
「覚えることが多すぎる!これなら転職しなきゃよかった」
この記事は、30代が「転職3ヶ月の壁」で自信喪失してしまったときの対処法を執筆しています。
「転職3ヶ月の壁」とは、転職後3ヶ月程度しか経っていないのに、退職を考えるほど悩んでしまう現象のことです。
転職直後は環境の変化により、通常よりもストレスがかかります。
最終的に、自信を喪失した転職者が辞職を決意してしまうケースも少なくはないでしょう。
しかし、30代に転職後3ヶ月程度で辞職することはおすすめしません。
理由は以下の通りです。
- 年齢が上がるほど転職しにくく、30代以上は採用されにくい傾向にある
- 転職の際、職務期間の短さや転職回数が多いと採用や選考に不利が生じる
- 転職活動によって、さらに精神的負荷がかかる
今回は、再転職を検討する前に今の職場で前向きに働くための対処法を紹介します。
さらに記事の中では、自信喪失して仕事ができないと感じる理由や退職を検討すべきケースについても説明しています。
再転職を検討する前に一度、この記事を最後まで読んでみてください。
30代が転職後に自信喪失してしまう理由
30代の方が、転職後に自信喪失してしまう理由はいくつもあります。
対処するためには、自信喪失した理由や原因がわからなければできません。
新しい環境に馴染めない
新しい職場環境が自分と合わない場合は、自信を失くしやすいです。
- 会社の雰囲気や職場の人間関係に馴染めない
- 自分のスキルを活かせられない
- 周囲と年齢に差があり、話が合わない
- 前の職場で通用していたことが通じない
- 前の職場との評価の違いに戸惑う
このような状態では、ストレスや不安など精神的負荷がかかります。
転職者への期待の大きさにストレスを感じる
「期待に応えられないかもしれない」という不安は、精神的に負荷がかかりやすいです。
30代の転職者は前職の経験があるため、即戦力を求められます。
しかし大きい期待はやりがいにもなりますが、人によっては重荷にもなるでしょう。
失敗を恐れて萎縮してしまう
自信喪失の理由の一つとして、失敗を恐れて実力を発揮できないことが挙げられます。
周囲の期待や転職後の不安が大きいと、失敗を恐れるあまり本来の実力を発揮できません。
30代という年齢によるプライドが邪魔をして、失敗を許せなくなっている可能性もあります。
過度な失敗への恐れは実力不足と疑われ、正当な評価を受けられません。
イメージした仕事や職場環境と違う
職場の印象が、転職前に想像していたものと異なる場合も考えられます。
- 社風や労働条件がミスマッチしていた
- 自身の能力を活かしたり、スキルアップが望めない
- 職場環境や人間関係がイメージしていたものとは違う
このように自分の求めていた会社と齟齬があった場合、転職者は不安や不満を感じやすく、自信喪失につながりかねません。
年下の上司や同僚がいて気まずい
30代の方が転職をすると、新しい上司が年下になるケースもあるでしょう。
また、年下の同僚が転職したばかりの自分よりも仕事ができると感じて、自信をなくしてしまいます。
年下に教えてもらう状況が、転職者のプライドを傷つけてしまうかもしれません。
覚えることが多くて仕事についていけない
転職先や仕事内容によっては、新しいことを一から学ばなければなりません。
多くの30代の方にとって、一から仕事を学ぶということは久しぶりの状況です。
最初から仕事を覚えていく状況が苦痛になると、「仕事ができない」と思い悩んでしまいます。
30代が能力不足と感じてしまう理由
30代で自信がなくなってしまうと、「自分の実力不足なんじゃないか…」と不安になるかもしれません。
しかし、仕事ができないと感じてしまうのには理由があります。
責任ある仕事を任されやすい
20代と30代では、求められる役割が違います。
30代は中間管理職に昇進し、先輩として部下を育てながら上司を支え、チーム全体が働きやすいようにフォローする役割を担う人が多いです。
30代のビジネスパーソンは、これらの能力が求められます。
- リーダーシップ力
- 人材育成能力
- コミュニケーション力
- 顧客との交渉力
- 社会人経験と知識
しかし、転職直後は能力を十分に発揮できないこともあり、役割をまっとうできず、力不足に感じてしまうかもしれません。
プライベートが忙しくて両立が大変
30代は責任ある仕事を任されるのと同時に、人生の転換期を迎える忙しい年齢でもあります。
こども家庭庁の2024年「結婚に関する現状と課題について」の調査によると、夫の平均初婚年齢は約32歳で、妻が約30歳、初出産の平均年齢は約31歳です。
仕事とプライベートの両方が忙しくなると余裕がなくなり、仕事が疎かになりがちです。
年齢や肩書きを気にしてしまう
30代は部長や課長といった役職を与えられる年齢です。
肩書きや年齢が気になってしまい、「自分に肩書きに足りる能力がないのではないか」と悩んでしまいます。
転職後の不安定な時期では年下の先輩社員と比較して、自分の能力が劣っていると思うかもしれません。
30代でポンコツ社員扱いされる人の特徴
周りの人から仕事ができないと思われる人には、特徴があります。
自信を失くし能力不足に不安を感じている人は、当てはまっているかどうかを確認してみてください。
仕事が遅く、納期を守らない
ビジネスにおいて、期限や時間を守ることは非常に大切です。
- 就業時間を守らない
- 待ち合わせ時間にルーズである
- 仕事の期限や約束を破る
これらのことを守れない人は信用を失い、仕事ができないと思われてしまいます。
今一度、仕事の時間管理ができているか確認をしてみましょう。
コミュニケーション不足によるミスが多い
周囲の人とのコミュニケーションや報連相(報告・連絡・相談)は、社会人の基本です。
当たり前のことと思われるかもしれませんが、意外と報連相が不足している人は多いです。
円滑に仕事を進めるためには、常日頃から周囲との連携を意識したほうが良いでしょう。
自分は棚に上げて他人には厳しく非難する
「仕事はできないのに、他人には厳しいよね」
こう言われる人は、周囲から仕事ができないと思われているかもしれません。
年齢が上がるほど、社会人としての成長を求められます。
他人にばかり目を向けるのではなく、転職を機会に自分を見つめ直してみましょう。
常に受け身でやる気がない
30代社員は人材育成やマネジメントに携わり、部下のお手本となる立場です。
- 仕事に対する意欲がなく、責任感もない
- 部下に業務を丸投げする
- 的確な指示が出せない
- 忙しいふりをして面倒な仕事は避ける
- 指示がないと動けない
このような上司の姿は、部下のモチベーションを下げてしまいます。
部下の前では、自ら主体的に動く上司としての立ち振る舞いを心がけるようにしましょう。
言動と行動が一致しない
- やると言ったのにやっていない
- 意見がコロコロと変わる
一貫性のない言動や行動は職場のチームプレーを乱し、周囲からの信頼が下がります。
職場では自分の気持ちを優先するのではなく、周りの人との連携を考えて行動しましょう。
仕事中に愚痴や自慢話など無駄話が多い
仕事中に無駄話をしている人は、嫌われがちです。
- 愚痴や悪口といったマイナス発言
- 聞き手が興味ない昔話
- 繰り返し語る武勇伝
「仕事に集中したいのにうるさいな」「話しかけないで仕事をしてよ」と周りから思われているかもしれません。
適切なコミュニケーションは大事ですが、時と場合を考えましょう。
自己管理ができておらず仕事に支障がある
仕事に支障がないように自己管理することは、社会人の基本です。
- 寝坊して仕事に遅刻する
- 二日酔いで明日の出勤を休む
- 寝不足で体調を崩す
新入社員なら多少大目に見られるかもしれませんが、30代で自己管理ができない人は社会人として信用を失ってしまいます。
最低限、仕事に影響が出てしまうような立ち振る舞いは避けましょう。
30代が転職後に自信喪失したときの対処法
「自分はポンコツ社員かも」
「今の会社でやっていく自信がない」
そう感じている人は、これから説明する対処法を実践してみてください。
自信喪失してしまった人がこの対処法を実践すれば、前向きな気持ちで働けるようになります。
自分が変われば、周囲からの印象も大きく変わります。
30代の今のうちに対処をして、人生の軌道修正をしましょう。
自己分析して原因をつきとめる
まずは、自己分析をしましょう。
業務内容を細かい作業に分け、自分の主観で得意・不得意や好きなこと・嫌いなことで仕分けをしてみてください。
自信喪失した人が自己分析をすれば、自信がなくなった原因や自分でも気づかなかった得意分野を知ることができます。
「この業務が苦手だから、自信がなくなったんだ」
「仕事ができないと思ったけど、この作業は得意かもしれない」
「得意な作業を苦手な業務に応用しよう」
自信喪失したときに対処するためには、まずは上記のように自分を知ることが大切です。
達成すべき目標を決める
原因が分かったら、次は目標を設定しましょう。
目標は1ヶ月先のなりたい自分でも、将来的な目標でも構いません。
目標が決まったら、下記の通りに実行しましょう。
- 現状から目標を達成するために必要なことを細かく書き出す
- 目標達成に必要なことを、現状から目標まで時系列で並べる
- 一から目標達成に必要なことを実践する
- 途中で挫けそうになったときは、簡単な目標に設定し直して1に戻る
重要なことは、「目標がある」ということです。
目標を持って生活する人は、将来像が決まっているので決断が早いです。
たとえば「1ヶ月休まずに出社する」という目標が達成できれば、1ヶ月休まなかったという実績と達成感が生まれます。
その達成感は、「1ヶ月行けたなら、次の1ヶ月も出社できる」という前向きな気持ちを生み出します。
ポジティブな考え方に変えてみる
自信をつけるために大事なことは、ポジティブになることです。
気持ちを切り替えれば、転職のストレスは軽くなります。
まずは、下記のようにマインドチェンジしてみましょう。
- 周囲と比較しない
- 自分が悪いと思い込まない
- 周りからの評価を気にしない
- 転職したことを後悔しない
- 年齢のせいにして諦めない
- 他人のせいにしない
ポジティブに物事をとらえれば、30代で自信喪失した人は自己肯定感を上げられます。
周囲とのコミュニケーションを大切にする
新しい環境や職場の仲間に馴染むためには、コミュニケーションが重要です。
人間関係が良好であれば、助けを求めやすくなり、失敗を恐れにくい環境が作れます。
- 日頃の挨拶を怠らない
- 報連相を欠かさない
- 新しい職場の同僚や上司に相談する
- 信頼できる友人や家族にアドバイスを求める
このようなコミュニケーションは業務を円滑に進めることにもつながりますが、自己肯定感を上昇させ、ストレス解消にもなります。
プライベートに仕事を持ち込まない
プライベートに仕事は持ち込まないようにしましょう。
私生活と仕事のオンオフができないと、ストレスが溜まり心身ともに不健康になってしまいます。
休める時に休むことは、自己管理の一つです。
プライベートでは自分の好きなことをして、リフレッシュしましょう。
30代が転職後に自信喪失しないための対処法
転職後に自信喪失しないためには、転職前の対処や転職への心構えが必要です。
これから転職をお考えの30代の方は、ぜひ参考にしてみてください。
転職先の情報を調べてミスマッチを防ぐ
転職のミスマッチによる自信喪失を防ぐためには、企業情報や仕事内容について事前に調べる必要があります。
ミスマッチした企業に転職をすると、これらのデメリットが生じてしまうかもしれません。
- 自分の能力を活かせない
- 社内の雰囲気が合わない
- 自身の目指す将来像と社風が異なる
転職するときは自分に合った会社で働けるよう、事前に企業のことを詳しく調べましょう。
一からスタートする心構えをする
30代で転職した場合は、再スタートするという気持ちの切り替えが必要です。
転職すれば、前職とは仕事のやり方や業務内容が変わります。
30代で転職する人は今までの経験を求められる一方で、プライドを捨てて一から学ぶ姿勢がなくてはなりません。
転職は一からのスタートであることを覚えておきましょう。
自分の適性を見極める
転職先は自分の適性に合った会社を選び、自分の能力や興味、将来像などを明確にしましょう。
興味のある分野や存分にスキルを発揮できる職場は、自信喪失しにくい環境です。
転職後に退職をするかどうかの判断ポイント
冒頭でも説明した通り、30代の方が自信喪失を理由に再転職することはおすすめしません。
しかしこのような状況であった場合は、退職を検討したほうが良いでしょう。
ブラック企業だった場合
明らかにブラック企業だった場合は、退職を考えましょう。
- 賃金の発生しないサービス残業
- 劣悪な職場環境や人間関係
- 膨大な仕事量
これらの特徴が見られた場合、その会社はブラック体質の企業の可能性があります。
速やかに別の会社へ転職を検討することは、自分を守るための手段の一つです。
転職するかどうか慎重な判断ができない場合は、第3者へ相談してみましょう。
出社に支障があるほどストレスがある場合
出社できないほどの体調不良やストレスを抱えている場合は、自分のことを一番に考えて転職を検討しましょう。
心身に影響を与えるほどのストレスは、働く意欲が低下して自信喪失にもつながります。
体調に悪影響が出る場合は、健やかに働ける職場の検討をおすすめします。
ミスマッチしていた場合
ミスマッチした企業へ入社してしまった場合は、再就職を目指してもいいかもしれません。
ミスマッチが起きると、スキルアップが望めなかったり気力低下や自信喪失をしてしまったりとデメリットが生じます。
望まない仕事に抵抗がある場合は、自分に合った企業への転職を目指しましょう。
30代の転職に関するQ&A
ここからは、30代の方が転職で抱えやすいお悩みに答えていきます。
30代の転職合格率は?
30代転職希望者に対する実際に転職した者の割合は、41.9%となっています。
(参照:2019年・厚生労働省「中途採用に係る現状等について」図表17)
20代が高い傾向にあり、40歳以上の中高年層になると、さらに低下する傾向が見られます。
30代の転職合格率は高いとは言えませんが、全年齢で比較した場合は平均ぐらいの合格率です。
転職後、一番辛い時期はいつですか?
転職後最も不安を感じていた時期は1ヶ月以内であると、86.8%の方が回答しました。
(参照:2018年・パーソナルキャリア株式会社「doda求人情報サービス」転職1ヶ月、「新しい職場に馴染む」ためにしたい5つのこと)
私が転職したときは、3ヶ月ぐらいは不安ばかりで自信はありませんでしたが、半年後には職場の環境に慣れることができました。
職場環境や人間関係は、どれほど事前に調べても入社してみないとわかりません。
転職後1〜3ヶ月は最も辛い時期かもしれませんが、一日でも早く職場に馴染めるように克服していきましょう。
転職が厳しくなる年齢は?
35歳未満の中途採用は約95%の企業が採用に積極的であるのに対し、35歳から年齢が上がっていくにつれ、採用の積極性が下がる傾向にあります。
(参照:2019年・厚生労働省「中途採用に係る現状等について」図表19)
45歳以上になると、企業側はあまり採用を考慮していない傾向があります。
30代で転職をしたい人は、相応のスキルや経験を持つ人材が求められていることを視野に入れて転職活動をしましょう。
30代は平均して何回転職していますか?
30代の転職回数は男性が0回、女性は2回が最も多いです。
30代の転職回数は2回以内が過半数を占めているため、平均転職回数は1〜2回です。
(参照:2019年・厚生労働省「中途採用に係る現状等について」図表14)
全体的に、男性は転職回数が少ない傾向にあります。
男女ともに年齢が上がるにつれ、転職回数の割合が増えていきます。
30代が転職後に自信喪失しても軌道修正できる
転職後に自信喪失したときは、以下のように対処することが重要です。
- ポジティブに物事をとらえる
- コミュニケーションをとる
- 自己分析して原因を理解する
- 達成できる目標を決める
- プライベートに仕事を持ち込まない
30代で転職する方は年齢に焦りを感じて、納得のいく転職先を早く探したいと思うでしょう。
しかし、30代であることに焦りを感じる必要はありません。
「もう30代」と考えるのではなく、「まだ30代」と考えるだけでも、気持ちが楽になります。
転職後に自信がなくなっても、気持ちを切り替えて前向きに挑戦していけば、きっと目指したい道が見つかります。
これから10年20年と続くあなたの人生をより明るく輝かしいものにするのは、あなたの行動次第です。
この記事の対処法が、30代の人が自信を持って働くきっかけになれたらとても嬉しいです。
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